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ゆうとく薬局
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 中国では、2,000年以上も前から牛黄の作用が認められていました。日本では、飛鳥時代より高貴薬として珍重されてきたと言われています。
 牛黄は、牛の胆嚢の中に生じた結石で、胆汁酸、ビリルビン系色素などが凝縮されたものです。漢方では主に、強心、鎮痙、鎮静などに用いられる重要な生薬です。
 意外と知られていない、牛黄の作用を理解されて、もっと身近に置いて、皆さんの健康にお役立て下さい。

1.牛黄とは
2.牛黄の歴史
3.牛黄の生産地
4.牛黄の価値
5.牛黄の七つの作用
5−1.強心作用
5−2.降圧作用
5−3.肝臓保護作用
5−4.抗炎症作用
5−5.解熱作用
5−6.鎮静作用
5−7.鎮痙作用
6.牛黄のその他の作用

7.Q&A
1.牛黄とは?
 牛黄とは、一言で言えば牛の胆石です。「牛黄」と書いて、「ゴオウ」と読みます。
 形は、約1〜4cmの不規則な球形、あるいは角のとれたサイコロのような形で、赤みがかった黄褐色をしています。割ってみると、木の年輪のような同心円状の層ができており、また口に含むと苦味とほのかな甘味があります。
2.牛黄の歴史
 東洋では、紀元前から現代に至るまで、実に2,000年以上もの間、牛黄は貴重な薬として愛用されてきました。
 中国最古の薬物書『神王本草経』には、牛黄は上薬に分類され、飲み続けると元気を増して老化を防ぎ、寿命を延ばすという理由から「不老長寿の薬」または「命を養う薬」であると書かれています。
3.牛黄の生産地
 ブラジルとオーストラリアが主な生産地で、これにアルゼンチンが続きます。なかでもオーストラリア産が良質だと言われています。現在、日本の市場に出回っているものは全て輸入品です。
 また、牛黄は外国の土産物としても人気のある生薬です。しかし、外国で買えば安く手に入るとはいえ、国によって規制が異なるため、日本では認められていない「ヒ素化合物」などの成分が使用されていることもありますので、国内で許可を得て販売されているものを購入するほうが安心でしょう。
4.牛黄の価値
 牛黄は、金より高価な貴重品で、牛1000頭に1頭の割合でしか発見できないとされており、中国では皇帝に献上されておりました。
 また日本でも、昔は牛を殺した際に牛黄が見つかったら、中央政府に献上するようにと「大宝律令」に記載されています。
 現在でも希少価値があり、生薬の研究に用いるにも高価なため、入手が困難となっています。そのため、近年では、栄養ドリンク剤などからも牛黄をはずした処方が多くなってきています。
5.牛黄の七つの作用
5−1.強心作用(心臓の働きを高める)
心臓(心筋)の働きを高めて、動悸・めまい・むくみなどを軽減します。
旅先で訪れたお寺の階段で息切れがして苦しくなったときに服用したら楽になりました。(70才代男性)
ゴルフのラウンド中に胸が苦しくなったとき、服用して楽になりました。今では友達にも勧めています。(50歳代男性)
5−2.降圧作用(高い血圧を下げる)
毛細血管を拡張させて、血行を改善し、肩凝り・めまい・のぼせなどを和らげます。
高血圧気味でしたが、毎日服用するようになり、今は安定した数値を維持しています。(50歳代男性)
血圧が高めですが、服用すると頭がスッキリして、胸の苦しさが取れました。(7歳代女性)
5−3.肝臓保護作用(肝臓の働きを助ける)
肝臓に作用し、胆汁生成を促進させます。
また、胆嚢の周りの筋肉を収縮させ、胆汁分泌を促進します。
疲労倦怠感、二日酔、肝機能障害、慢性の下痢などに効果があります。

疲れ気味だったので服用したところ、その日の夜はお酒を飲んでも悪酔いしませんでした。(50歳代男性)
肝機能が悪かったのですが、服用したところ検査数値が良好になり、大変喜んでいます。(60歳代男性)
5−4.抗炎症作用(炎症を抑える)
体内各所の炎症を抑えるので、内臓疾患から皮膚病まで広く役立ちます。
息子が受験直前に扁桃腺がはれ、高熱が出てしまい、薬局へ駆け込みました。服用したところ扁桃腺の腫れが治まり、熱が下がり、無事試験を受けることができました。(40歳代男性)
奥歯の腫れと痛みで、翌日歯医者の予約を入れたものの、その夜がどうしても辛く、服用すると歯の腫れと痛みがなくなりました。(20歳代男性)
5−5.解熱作用(熱を下げる)
病気をこじらせて、身体の内に入り込んだ熱を体外に発散させる働きがあります。
仕事が休めず風邪をこじらせてしまい、1週間も微熱が続き、だるく、特に夕方発熱を繰り返していました。牛黄を服用したところ身体のだるさも和らぎ、翌日には熱も平熱になりました。(20歳代女性)
スキーのインストラクターをしている男性が、風邪から肺炎を発症し、高熱で倒れたとき、牛黄を服用して半日休んだだけで熱が下がり、翌日スキーができるまでに回復されました。(30歳代男性)
5−6.鎮静作用(神経を和らげる)
神経の興奮を和らげて、イライラ・不眠といった症状を鎮めます。
定年退職後、毎日することもなく、朝起きるのも憂うつで何もする気が起こりませんでした。朝、目が覚めたときに、布団の中で服用し始めると、すっと起きることができ、1日快適に過ごせるようになりました。(60歳代女性)
友人の結婚式の司会を頼まれました。初めてのことで入念に準備はしたつもりでしたが、当日は不安と緊張に押しつぶされそうになりました。友人に薦められて服用したところ、しばらくすると気持ちが落ち着き、滞りなく結婚式の司会を成し遂げることができました。(30歳代男性)
5−7.鎮痙作用(痙攣を鎮める)
手足の痙攣をはじめ、腹痛やさしこみなどの症状にも効果があります。
脳梗塞発作後、自宅療養中です。あるとき耳鳴りが始まり、病院でも漢方薬でも効果がないため服用しました。服用してすぐに耳鳴りが治まり、あまりの効き目に驚きました。(70歳代男性)
脳梗塞で倒れて、左半身不随になりました。リハビリの効果で歩けるようになりましたが、疲れているときなどは身体が重くて仕方ありません。そんなときに服用すると、とても調子が良くなります。(70歳代女性)
6.牛黄のその他の作用
◎赤血球新生促進作用
 赤血球を増やすことで、貧血や立ちくらみ・血色不良などを改善します。
◎抗血液凝固作用
 血栓の生成を抑えるため、血液の流れを改善します。
◎抗ウイルス作用
 ウイルスの活性を抑え、風邪などの症状を改善します。
◎抗酸化作用
 生体内の脂質の酸化を抑え、生活習慣病を改善します。
◎末梢神経障害改善作用
 手足の痺れなどの末梢神経血管障害を改善します。
7.Q&A
Q;現在流通している牛黄からは、BSE(狂牛病)に感染する心配はないですか?
A;これまで、牛黄から人にBSEが感染したと言う報告は、国際的にもありません。
Q;牛黄の偽者も出回っているそうですが、見分け方は?
A;製品を外見から見分けるのは難しいことです。牛黄は、何しろ高価なため、古来から偽者が後を絶ちませんでした。
 例えば、カレーを黄色くする色素であるウコンを練り固めたり、白泥に牛の胆汁を混ぜたり、他にも色々な方法で偽者が作られていたようです。 現在は、そのようなものはほとんど輸入されなくなっていますが、皆無ではありませんので注意が必要です。
 牛黄は、水に溶けにくいので、水中に入れて、液が黄染すれば偽者と考えられます。牛黄は唾液や皮脂には可溶です。やはり信頼できる薬局から購入して頂くことが一番です。
参考文献;社団法人 日本薬局協励会発行 エルエル誌Vol.38 No.1 通巻151号

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牛黄
のはなし